オーナー向け契約実務

民泊運営代行の契約書チェックリスト

手数料率だけで決めず、誰が実行し、誰が承認し、どの費用を負担するかまで契約前に確認します。

民泊の管理受託契約は、予約やゲスト対応だけを決める書面ではありません。対象住宅、清掃・衛生、設備、安全、近隣対応、報告、再委託、費用、解約後の引継ぎまで、運営を止めないための責任分担を定めます。

結論:契約前には業務名ではなく、実施方法・承認者・費用負担者・対応時間・終了時の引渡物まで確認してください。

この記事は国土交通省の住宅宿泊管理受託標準契約書と観光庁の民泊制度ポータルを基に、オーナーが読み合わせる項目を整理したものです。個別契約の法的判断が必要な場合は弁護士等の専門家に確認してください。

最初に見るのは手数料ではなく責任の境界

「予約管理一式」「清掃管理」「緊急対応」のような名称だけでは、実際に誰が動くのか判断できません。予約変更の処理、清掃会社への予定連絡、品質補完の指示、現地確認、緊急出動はそれぞれ別の業務です。

各業務について、実行者、指示者、オーナー承認が必要な場面、外部費用の負担者、完了を確認する記録を一行ずつ対応させると、契約後の認識差を減らせます。

国土交通省の標準契約書が示す確認範囲

国土交通省の標準契約書は、当事者と登録番号、契約期間、対象住宅、業務内容、再委託、報酬と必要費用、緊急時対応、報告、守秘義務、損害賠償、解約、契約終了時の書類・鍵の引渡しを確認できる構成です。

標準契約書はそのまま全社共通のサービス内容になるものではありません。実際の管理会社が担当する業務、実施方法、料金、地域・時間条件を個別契約と別表で具体化する必要があります。

契約前に読み合わせる10項目

  • 1. 当事者・登録・対象住宅:管理会社の商号、連絡先、住宅宿泊管理業者の登録番号、届出住宅の所在地・部屋・付属設備が一致しているか。
  • 2. 契約期間・更新・解約通知:開始日、終了日、自動更新の有無、通知期限、通知方法、途中解約と違約金の有無を確認する。
  • 3. ゲスト対応の実施方法:予約前後の連絡、本人確認、チェックイン、苦情、返金・宿泊拒否の判断について、窓口・時間帯・承認者を定める。
  • 4. 清掃・衛生の業務境界:日程連絡、完了写真、品質補完依頼、現地確認、再清掃、リネン・消耗品の補充を別々に記載する。
  • 5. 設備・安全・緊急対応:不具合の一次確認、現地出動、警察・消防への連絡、修理の承認上限、対応地域と追加費用を確認する。
  • 6. 報酬と外部費用:管理手数料の計算対象、支払日、消費税、OTA手数料、清掃費、交通費、備品費、修理費を区分する。
  • 7. 再委託:清掃会社や現地パートナーなど再委託先の業務範囲、管理会社の責任、変更時のオーナー承認を確認する。
  • 8. 報告と記録:宿泊者名簿、予約・売上、清掃記録、苦情・事故、運営報告、月次精算について、形式・頻度・保管主体を決める。
  • 9. アカウント・個人情報・権限:OTA・PMS・スマートロックの名義と管理者権限、二要素認証、宿泊者情報の取扱い、契約終了時の権限解除を定める。
  • 10. 損害・契約終了・引継ぎ:破損や事故の責任、免責、保険連絡、鍵・書類・予約・未精算費用・運営記録の引渡日を決める。

管理手数料に含まれない費用を一つの表で確認する

同じ手数料率でも、計算対象となる売上と外部費用の扱いが違えば、オーナーの最終負担は変わります。費用名だけでなく、負担者、承認時点、上限、精算方法を並べて確認してください。

  • OTA手数料・税金・返金・キャンセル料を、管理手数料の計算前後のどこで扱うか。
  • 清掃費、リネン、基本消耗品、交通費、追加訪問がプラン内か、上限内か、別途か。
  • 修理・交換・内装・家電の手配と外部業者費用を誰が承認し、誰が負担するか。
  • 追加備品を実費精算するのか、作業前に合意した追加料率で扱うのか。

管理会社を変更するときの引継ぎ項目

  • 現行契約の解約通知期限と、旧会社・新会社それぞれの業務終了日・開始日。
  • 移管日以降に宿泊する予約と、移管日前に発生した予約の変更・返金・報酬の担当。
  • OTA・PMS・決済・スマートロックの名義、管理者権限、二要素認証の連絡先。
  • 清掃予定、清掃会社の連絡先、鍵、入室方法、在庫、遺失物、未解決の破損・苦情。
  • 宿泊者名簿、法定報告に必要なデータ、売上・費用・未精算金、過去の運営記録。
  • 管理業者の変更に伴う届出内容と提出時期を、所在地の行政窓口または専門家に確認する。

StayJPの契約ではプランとオーナー業務を同時に確認

StayJPは10%・15%・20%・30%+の各プランで、当社担当、オーナー担当、条件付きの現場業務、管理手数料外の費用を区分します。20%の現場確認は地域・回数・時点を契約で確定し、緊急現地対応は30%+の契約条件内です。修理・交換・内装・家電の手配と外部費用は全プランでオーナー担当です。

基本契約期間は12か月で自動更新です。解約は10%・15%・20%が1か月前、30%+が3か月前までに指定メールで通知し、違約金はありません。

  • 比較表と契約書で同じ業務名・担当者・費用区分を使う
  • 現場確認と緊急現地対応を別の業務として確認する
  • 30%+の清掃費・基本リネン・指定基本消耗品は契約上限内で確認する
  • 修理・交換・内装・家電の発注と外部費用はオーナーが判断する

物件所在地、現在の運営体制、OTA、清掃会社、希望する委託範囲を共有いただいた後、契約に記載する範囲を確認します。

公式資料で条項を確認する

この記事の法制度・契約項目は、国土交通省と観光庁の公開資料を基準に確認しました。標準契約書と実際の契約内容は同一とは限りません。

確認日:2026年8月19日

契約前によくある質問

国土交通省の標準契約書をそのまま使う必要がありますか?

標準契約書は確認項目を整理する基準ですが、各社のサービス内容や料金を自動的に決めるものではありません。対象住宅、業務の実施方法、費用、地域・時間条件は実際の契約書と別表で確認してください。

管理手数料率だけで会社を比較できますか?

できません。手数料の計算対象、清掃・リネン・消耗品、現地対応、交通費、修理費、税金、OTA手数料を同じ条件にそろえ、オーナーに残る作業も一緒に比較します。

緊急対応は何を確認すればよいですか?

受付時間、連絡手段、現地出動の判断者、対応地域、到着を保証するか、オーナー承認なしで使える金額、追加費用、対応後の記録を確認します。『緊急対応あり』だけでは範囲は確定しません。

OTAのリスティングやレビューは管理会社変更後も引き継げますか?

アカウント名義、管理者権限、各OTAの最新規約、現行契約によって扱いが異なります。変更前にOTAごとの権限とデータの引渡方法を確認し、引継ぎ可能と一律に断定しないことが重要です。

住宅宿泊管理業者を変更するとき、届出は必要ですか?

観光庁は、委託により届出書面の内容が変わる場合、管理受託契約の業務開始前に住宅宿泊事業者が都道府県知事等へ変更内容を届け出る必要があると案内しています。StayJPは申請・届出を代行しないため、所在地の窓口または専門家に確認してください。

    stayjp care

    ご相談はいつでもどうぞ

    ゲスト対応チームが迅速に返信します。